3. Rm1925
保存修理工事過程

この部屋では、文化財建造物の保存修理工事についていくつか説明します。

明日館の保存修理工事においては3つの原則を柱にして行なわれました。

第一の原則は、「文化財的価値の保存」と言う事があります。

たとえば、床材のように出来得る限り古い材料を再利用したり、天井、壁などにみられる漆喰塗のように当時の技法を踏襲したりなど、文化財価値を保存しています。

第二の原則は「建物の恒久性を高めるための構造補強」と言う事です。

文化財の大規模修理は概ね100年に1回という間隔で行われます。次の大規模修理までの100年間、構造的に建物が持つように、一部鉄骨などでの補強も行われています。また築80年を経過していたこの建物は、雨漏りなどもひどく、今回の修理工事では、雨水、湿度対策など、普段は見えないところを工夫し、建物の恒久性を確保しています。

第三の原則は「活用のための設備などの改善」です。

当時この部屋には一切の照明がなく、決して明るいとは言えない状況でした。このように大正時代の学校建築を、一般に開放して真夏、真冬、あるいは夜間も使用するには改善が必要でした。文化庁に現状変更の許可を得て、空調や照明、トイレの設備などの充実をはかっています。

 この部屋の床材をご覧ください。奥から三分の二くらいまでが古い床材です。これはこの教室の床材で使えるものがこのくらい残ったのではなく、全教室から使えるものを集めてもこのくらいにしかならなかったという事です。そのくらい床材は傷んでいました。それは、この教室の床が地面と同じ高さだからです。お気づきになられましたか?元々ライトが住宅を作っていたシカゴ郊外など乾燥したところでは、これは段差もなくよかったのでしょうが、日本のように梅雨があり、夏の湿度も高いところには向かなかったようです。

 また、北側の窓、変わった窓で私たちは「菱形の窓」と呼んでいますが、この窓は建築途中にかなり強引に追加で作られたことが修理工事の時にわかりました。壁の漆喰をはがしたところを見てもらうと、筋交いが途中で切断されて、この窓が取り付けられていることがわかります。やはり教室が暗くて、施主が強力にお願いして追加で付けたのだろうと言われています。


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